奴隷の証といえば、
真っ先に焼印が浮かぶ。


首輪は、あくまでも
主従関係の目印であって
対外的に所有されていることが
一目で見えるものだと思う。

勿論、それは
お互いに首輪と言うアイテムで
堅牢な主従関係が成り立つのであれば

首輪を隷属の証としても良いと思う。


では、焼印はどうか。


深いやけどは、一生残る。

同様に、雑に切られた傷も残る。


人間の皮膚は28日周期で再生しようとするが、
再生する基底層まで焼いてしまえば、

ケロイドと呼ばれる赤く毛穴の無い
無傷な肌とは違う状態に変化してしまう。



一度背負い、貶められたら

もう戻れない。



それが、


過去、人身売買で作られた奴隷だ。


だから、

逃げてもお前は一生奴隷なのだという

隠し通そうとしても隠せない傷痕を

敢えて残したのだ。



漫画のONE-PIECEでも

焼印が出てくるエピソードがあるが

無理矢理に刻まれた焼印は屈辱の極みなのだ。



生きている肌に火を近づけても、
実は直ぐには焼けない。


多くの場合、火傷を負うのは、

熱そうに見えない金属にうっかり触れたり

熱湯や高温に熱された油を浴びたり、

衣服に燃え移った火によってのものだったりする。



だから、


他人の肌に印を刻むなら

それも、一生消えない所有の痕を残すなら


しっかりと上から
数分押さえつけなければならない。


昔の人身売買では、
傷口もろくに手当てせず、
死んでいくケースも多かっただろうが、

今の時代でも、
深い火傷は一歩間違えば生死にかかわる。


人間の肉が焼ける時、

かなりの異臭がするという。


バーベキューやステーキのイメージで
肉を焼くといい匂いがすると思うだろうが、
あれは、血を抜ききった状態の肉だ。


人間も動物も、
なんの処理もしていない状態で
死骸を燃やせば、
いろんなモノが同時に焼き焦げるから
全く、別ものだと考えて欲しい。


甘い腐敗臭がする、鼻が曲がりそうな臭さ

検索すれば
いろんな情報が出てくるが、

焼印を施すという行為は

結局、人間扱いしないから
死んでもなんともないので
当然のごとく行われていただけであって、


いざ本当に、隷属の証として施すには、

タトゥーを彫ったり、ピアスを開ける以上に

労力もかかるし、

生死にもかかわる。



うっかり叫ばれたり、

異臭騒動が起こる可能性があるなら、


やはり現代社会では

お互いに同意とはいえど、
焼印はなかなかにハードルの高い行為だと思う。

それでも、焼印へ憧れる子はいると思う。


主人の手によって、
一生消えない永遠の印を付けられたい。


それはとても甘美な夢だと思う。


煙草や線香を肌に押し当てられるだけでは

足りない渇望を満たしてくれるのだと思う。



ただ、ひとつだけ言えるのは

形が有ったり、
目で見えたりするものに
永遠は存在しない。


ましてや、


人間の感情と言うものほど
移り変わるものはない。


私たちも生まれてから一秒づつ、
いつ訪れるかもしれない死へと近づいている。



それを本能的に知っているから、

皆、変わらないことを誓いたいし、
そう在りたいと望むのだ。


だから、



私個人は消えない痕をつけることを
あまり欲していない。




ただ、



私が全力で捺し当てた焼印の火傷が

相手の肌の上でどんな変化をして、
ケロイドを形成していくかは

経過観察しても面白そうだなと思う。




矛盾しているけれど、

誰も皆そういうものを抱えているでしょ。



だから、SMという

理不尽で酷いお遊戯を

真面目にほりさげてしまうのだ。




TAMAKI